アワード2022

新着情報

審査結果

応募総数320作品の中から、
下記の通り受賞作品が決定いたしました。

応募総点数 : 320点
受賞作品 : 12点

受賞作品

大賞100万円サンゲツ社員賞5万円

大賞

100万円

サンゲツ社員賞

5万円

  • ※最終選考に残ったファイナリスト作品からサンゲツ社員が商品化したいと思う作品を
    投票で選ぶ特別賞『サンゲツ社員賞』を1作品設けています。

『 空、或いは宇宙 』

南澤 詩音 / 澤田 昂之介

作品詳細

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受賞者コメント

光を覆う雲と光を放つ星雲の二つの「雲」をモチーフにしています。ネガポジを反転させた空の画像を重ね、シルバーの蒸着とグレーの網点を組み合わせました。より多様な想像をかき立てる見え方を狙っています。

南澤:ぜひ具現化したい、という思いがあったのが、今回の受賞につながったと思います。本当にありがとうございました。

澤田:ストーリーや文献調査などを担当しました。受賞につながり本当に良かったです。今後も楽しく素敵なものをつくっていきたいと思います。

審査員コメント

植原 亮輔
第一印象からすごくきれいだった。質感が良く、“感じられるもの”を有している。
岡安 泉
純粋に色がきれいだと思う。伝統的な日本の空間のように、箔による光の反射が幽玄や豊かさを感じさせた。
山﨑 健太郎
自然や現象をモチーフに、作品の主体をずらすことで奥行きを増している。そういった意味で秀逸な作品だ。
座間 望
一次審査から気になっていた作品だった。何色でもない空気感を出すために、色の層をつくり出している。
安田 正介
完成度が高く、商品化してこの雰囲気が出せれば、素晴らしいと思うのでぜひ進めていきたい。

優秀賞

50万円

『 cache-cache 』

濵田 梨央

作品詳細

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受賞者コメント

水彩絵の具を垂らし、特定の形を意図せずに、様々な色と図柄を組み合わせて、見る人が自由に想像できるものを目指しました。見る人の対話や共有を促すことができればと考えました。
こうしたコンテストなどに応募することが初めてだったので、受賞を大変光栄に思います。これを糧にしてデザインの勉強も続けます。

審査員コメント

植原 亮輔
子ども部屋という想定だけでなく、例えば、モノクロにすれば、使い方にももっと可能性が感じられる。
岡安 泉
かわいいなと。理屈ではなく、秀れた作品として選びたくなるかわいさがあると感じた。
山﨑 健太郎
個人的には一番素晴らしい。思い出など共感を観る側に与え、想像を委ねる手法はとても現代的だ。
座間 望
色の鮮やかさが印象的だ。元気が出る、心が安らぐ感覚がある。
安田 正介
今回のファイナリストではまれだった、色遣いがかわいらしく、ストレートに楽しげな雰囲気がある。

審査員賞(植原賞)

15万円

『 墨痕(ぼっこん) 』

田淵 萬坊

作品詳細

受賞者コメント

墨痕淋漓とは墨の瑞々しく豊かな表現を言います。會津八一による般若心経の掛け軸から文字を取り、トリミングして読み取れないよう、市松にレイアウトしました。般若心経の心を込めました。私のような年齢の応募者も少ないかもしれませんが、ぜひ来年も挑戦したいと思います。

審査員コメント

植原 亮輔
文字のサンプリング処理が秀逸で、書を扱うコンセプトもしっかりとしている。タイポグラフィーとしてもいいし、仕上がり自体もおしゃれで現代的。

審査員賞(岡安賞)

15万円

『 CLOUD 』

小嶋 宏昌

作品詳細

受賞者コメント

織物壁紙を製作する際にできる廃材(耳糸)を用い、手作業で貼り合わせたものです。うろこ雲をイメージしたデザインは一つとして同じ表情はありません。こちらの受賞が織物壁紙をもっと知ってもらうきっかけになればと思います。

審査員コメント

岡安 泉
耳糸(廃材)を使うという発想は時代に沿っていて、つくる難しさを差し引いても評価したい。でき上がりもきれいなものになっている。

審査員賞(山﨑賞)

15万円

『 365 』

佐藤 小暖

作品詳細

受賞者コメント

墨流しをヒントにして、その一瞬の表情をデザインとして描きました。横使いでリピートがつながっていくようになっており、ショップの壁面でアクセントとして使ってもらえればと考えました。今回製作にあたって支えてもらった人たちにも受賞を感謝したいです。

審査員コメント

山﨑 健太郎
圧倒的にのびのびとつくられていて、清々しさがあった。仮に背景やコンセプトがなくても、目の前に立ってモノの力強さを感じられるのがいい。

審査員賞(座間賞)

15万円

『 AMIGAMI 』

玖波井 祐子

作品詳細

受賞者コメント

自然の風景写真をベースにした落ち着いた色に、鮮やかな網状のラインを乗せ、隣接する色と色とが同化して見える現象を利用して、広がりと奥行きのある壁紙としてデザインしましたものです。他の受賞作も刺激になり、頑張ってこれからに生かしたいです。

審査員コメント

座間 望
人が過ごす空間における、“空気感”をうまく表現している。カラーバリエーションなど実際の空間での使用をイメージしやすい。

ファイナリスト賞

各2万円

『 光の模様 』

松井 日向子

作品詳細

審査員コメント
アイデアは理解できるものだ。最終的なフィニッシュがより明快にイメージできるとよかった。(山﨑)

『 PATCHWORK 』

山本 光

作品詳細

審査員コメント
着想はユニーク。ユーザーにいかに体験させるかがデザインの主題となっている。(山﨑)

『 白波 』

櫻井 和則

作品詳細

審査員コメント
空間のイメージに説得力を感じた。そうしたリアリティーがあることは重要。(植原)

『 雨包-あめつつみ- 』

松村 宏美 / 中村 卓

作品詳細

審査員コメント
滲みだけで展開したデザインとそのディテールは、シンプルにきれいかなと感じた。(座間)

『 face 』

田中 夕香

作品詳細

審査員コメント
一見独創的だが、意外にいろいろな場所で使えるような優しさがあると思う。(岡安)

『 difference 』

鮎川 裕之伸 / 池田 華子

作品詳細

審査員コメント
集団の中に個人がある、という現代アート的なコンセプトをグラフィックにしていて興味深い。(山﨑)

審査員総評

植原 亮輔

株式会社キギ代表/クリエイティブディレクター・アートディレクター

今年で4回目の審査員をさせていただいています。毎年、応募作品のレベルの向上が見られて、完成度には感心しきりです。一方で今回、平均は上がっているけれど、突出したものはなかったかな、という印象です。そういう中で、アートと壁紙のあいだのような「365」(山﨑賞)を見て、新しい壁紙の在り方を提案してもらったと感じました。一般的な壁紙としての使い方を想定しておらず、壁紙というそのものを揺るがすような問題提起につながっています。応募者からそうしたものが投げ掛けられたのは、このアワードの目的や存在価値にとって、非常に有意義なことだと思います。いろいろな角度やかたちから、“投げ掛けてくれる作品”は例年見ることができるので、今後もたくさん出てきてくるとアワードや壁紙がもっと盛り上がるきっかけになるのではないでしょうか。

岡安 泉

株式会社岡安泉照明設計事務所代表/照明デザイナー

壁紙の新しいあり方、そこへの挑戦というものは控えめだったように感じています。その分、すぐにでも商品化できるようなリアリティーや説得力は高まっていて、応募者が審査基準に対してとても真面目に向き合っているのがわかります。
とはいえ、壁紙の固定観念的なものにグラフィックだけで立ち向かうのは限界があります。アワードと言っても、空間をデザインするという行為なので、自らがこれで空間が豊かになると信じるものをもっとぶつけてもらいたい。壁紙にもっと期待してほしい。部分的にある閉じられた空間での回答におさまっているものが多く、もっと全体の連続した豊かさに思いを寄せてほしいと思いました。多くの場合、空間は連続しています。今居る空間と次の空間との関係性にも注意を向けてみるとおもしろいと思います。

山﨑 健太郎

株式会社山﨑健太郎デザインワークショップ代表取締役/建築家

環境問題を筆頭に社会的責任や倫理性など、デザインすることが難しい時代になって来ています。それでも、作り手が喜びながら、のびのびとデザインする、まさに『Joy of Design』が今回は見られたのではないでしょうか。
技術や手法も成熟した現在では、たくさんの作品の中からこれが1番とは選ぶのは難しい。それは壁紙でも建築でも同じです。ユーザーも成熟した現在、圧倒的なデザインというものはもはやないとも言えて、それでも異なるジャンルの人たちが話し合いながら、「これで行こう」と決めていく行為や過程が、特に今の時代背景では重要だと思っています。
社会性を強く感じる作品もあって興味深かったですが、そうなると作り手の存在感は相対的に小さくなり、こちらに強く訴えるものがなくなってしまう。そういうことも含めて、改めてデザインという行為の難しさをこのアワードでも感じました。

座間 望

ZA DESIGN Inc.主宰/インテリアデザイナー

今回の壁紙アワードを通して、私自身、空間に於けるデザインの重要性を改めて深く考えられました。応募された作品は、自然観、ボーダーレス、素材の再利用など今の時代性を反映しているデザインが多く見られましたが、そんな中、壁紙に意思があるかのようにその壁紙から発する楽しい時間や豊かな時間を表現した作品は、とても印象的で魅力的でした。
一方で、空間デザインが日々身近にある身としては、全般的にデジタルで整える事が当たり前である作品を目にし、本来の美しさや普遍性とは何かを自分に問い続けた審査期間でもありました。
総合的には、発想、表現、仕上がり、実装可否など多くの検証を経た完成度の高い作品が優れた作品として評価に繋がったと思います。

安田 正介

株式会社サンゲツ 代表取締役 社長執行役員
※審査委員長

サンゲツ壁紙デザインアワードのテーマでもある『Joy of Design』は、当社のブランドステートメントでもあり、デザインする喜び、楽しみを会社として大事にしたいと思っています。
「デザインとはどういうことか」、「デザインにより如何に価値を生み出し、収益の向上と社会価値に結びつけていくか」を日々模索し、幅広い奥行きのあるデザイン力が、会社自体を成長させ、社会にも貢献できるようにしたいと考えています。
6回目となるこのアワードは、そうした活動のキーの一つとして行っており、今後も続けてまいります。審査員の方々のご指摘の通り、壁紙にある既存の枠だけで留めることなく、より幅広い意味での壁紙のデザインを示せるようなアワードにしていく必要もある、と思っています。
来年も皆さまからのたくさんのご応募をお待ちしております。

イベントレポート

2022.12.15

最終審査会&セレモニーが行われました。

審査会&セレモニー ダイジェストムービー

最終審査会&セレモニー レポート

「サンゲツ壁紙デザインアワード」は今年で6回目を迎えました。今回は、建築家の山﨑健太郎さんとインテリアデザイナーの座間望さんのお二人が新たに審査員として加わりました。より多角的で多様な視点から、作品に向き合っていくことで、アワードと壁紙の可能性を広げようという、新たな一歩です。

2022年12月15日に、最終審査会とセレモニーをサンゲツ品川ショールームで開催しました。12組15名のファイナリストを会場にお招きし、熱のこもった審査会を進めることができました。

提出ボードとコンセプトだけの一次審査ではなかなかわからないことも多く、作者の思いや考えを知ることができるプレゼンテーション動画と質疑応答では、どのファイナリスト作品にも新鮮な驚きと感嘆が、審査員にあった様子です。

コンセプチュアルで完成度が高く、商品化のためのリアリティーもしっかりとしたファイナリスト作品は、選考過程でも議論を熱くし、今回は受賞決定も難航しました。一方で、ややコンセプトやストーリーを重視する傾向になってしまっているという指摘もあり、不透明な時代情勢だからこそ、作品そのものから作者の思いや熱意を受け取りたいという素直な感想も聞かれました。

「壁紙そのものを揺さぶってくれるような作品を待っている」と審査員の植原亮輔さんがおっしゃっていました。サンゲツとしても、このアワードが壁紙の可能性をさらに広げるきっかけとなるよう、より多くの新しい「Joy of Design」を見ることができるよう、2023年もたくさんの方からの応募をお待ちしています。